研究分野・キーワード |
哲学、倫理学、公共性の哲学、教養、異文化理解
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教育内容 |
担当授業
≫シラバス
哲学倫理学Ⅱ(後期)
出前講義
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研究内容 |
ヘーゲル『大論理学』改訂の実際とその意図 異文化理解 ニヒリズムの超克
≫詳細(研究者総覧)
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自己PR |
大それた言い方ですが、哲学研究ではなく、「哲学する」人生で一生を終えたいと思います。哲学とは最も全体的なテーマを最も根本的に考えることだと思います。最も全体的なものは絶対者です。絶対者を求めてきたものは宗教、芸術、哲学です。現在この絶対者が見失われ、時代はニヒリズムの様相を色濃くしていますが、そうであればこそ絶対者についてまっすぐにかつ慎重に考察する必要があると考えています。絶対者を考えるということは取りも直さず、現代という時代を考えるということであり、自らの生死を考えるということだと思います。絶対者はさしあたり対象という形を取らざるをえませんが、問う、定める、行うことを繰り返す探求の営みが対象というあり方を超克することになると考えています。
こうした絶対者の探求においては、対象の全体性のみならず知の全体性も確保しておきたいと思います。それは考えることのみならず、行為すること(つくること)、信じることを具体的に含む知です。それによって絶対者への通路は具体的な生のいかなる場においても開かれることになります。
私はヘーゲル哲学を中心に研究してきました。目下のところ『大論理学』の二つの版を丹念に比較し、改訂の真意を探る作業を進めつつあります。またハイデッガーや京都学派の哲学についても僅かですが論文を執筆してきました。今後もこうした哲学研究を続けるつもりですが、その際には楽譜を丁寧に読んでいくように研究したい。その上で偉大な師として対話しつつ哲学したいと思っています。知の全体性の確保に関しては宗教や芸術を哲学的に考察したいと思っています。また全く稚拙でお恥ずかしいのですが、私が長年ピアノと剣道をやめられずにいるのは、こうした知の全体性の確保とかかわっていたのかもしれません。私は口で言うだけでなく、たとえ出来なくても実際に行うこと、人生においてもその通りに生きること、にこだわっているのでしょう。哲学、音楽、剣道、そして人生、どれをとっても結局最後までお粗末なまま終わると思いますが、仕方ありませんね。
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受験生へのメッセージ |
学問は基本的に何かのためにするのではなく、学ぶために学ぶ、つまり学びたいから学ぶことだと考えています。就職を含めて人生設計については1年次から意識しておく必要があると思いますが、そのことと学問を直結させる必要はありません。大いに学びたいことを学んでください。それがあなたの「人間」を育てることになることだと確信しています。
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